『実践 自分で調べる技術』p.52で取り上げた「専門図書館」ですが、本文でも触れたとおり、「図書館」と称していないものも少なくありません。カーリルの「専門図書館リスト」に掲載されているものを見ても、たとえば、「国立西洋美術館研究資料センター」「印刷博物館ライブラリー」「足立区産業情報室」「国立劇場おきなわレファレンスルーム」などがあります。このリストには全国301館が載っています。
専門図書館の蔵書を横断検索するサイトに、p.53でも少しだけ触れたdlib.jpがあります。全国100館以上の専門図書館の横断検索ができます(サイトには何館かの明確な記述がないのですが、検索すると現在118館であることがわかります)。「dlib」とは「ディープ・ライブラリー」のことで(そんな言葉はなく、造語なのですが)、深い、専門的な、あるいはマニアックな図書館といった意味でしょう。
dlib.jpは、利用法の解説などがないのですが、実際に検索してみると、だいたい要領がわかります。
たとえば「ホームレス支援」で検索してみると、国会図書館サーチなどでも検索できる一般図書のほか、ホームレス問題への市民理解をすすめる啓発資料編集委員会全国社会福祉協議会地域福祉部 2003 『ホームレス支援をすすめるため』という本(冊子?)が福岡市市民福祉プラザにあることがわかったり、『女性ホームレス地域生活自立支援ニーズ把握事業報告書 (9) 特定非営利団体法人 自立支援センター』(2001年)というものが東京ウィメンズプラザにあることがわかったりしました。
こうした、普通の図書館にはなさそうな図書・資料を収蔵しているのが専門図書館の強みですし、私たちからすれば専門図書館の利用価値です。
専門図書館の蔵書を調べるのは簡単ではないですし、どんな資料がどこの専門図書館にあるのかを調べるのは難しいのですが、dlib.jpはそれを助けてくれるツールと言えるでしょう。
もちろんdlib.jpは専門図書館を網羅しているわけではありませんので、そこは注意してください。
(宮内泰介)