2021年12月12日(日)に、世田谷区中央図書館主催の「学びのプレセン講座」で、「自分で調べる技術」と題したワークショップ(2時間)が開催され、著者の上田昌文が講師を担当しました。
参加者は全員が世田谷区の住民で、参加にあたっての約束は、「自分が今調べたいと思っている事柄について、そのテーマを一つ前もって提示してください」ということだけでした。集まったのは11歳から78歳までの、全員お互いに初対面の方々。5名で1グループにして、6つのグループに分かれてもらいました。
参加者それぞれが用意したテーマに対して、「何をどう調べるようにすれば、自分なりに次にすすめるのか」をワークショップをとおしてつかんでもらい、そのことを何らかの形にして持ち帰ってもらうのが目標です。
途中に「ミニレクチャー」称して、2,3分のお話を3回入れましたが、基本的には、各自でメモを作りながら考え、付箋紙に書き込み、班で意見交換し、模造紙に付箋紙を貼り付けたり移動させたりしながら議論を重ね……というスタイルですすめました。どの人も1時間ほどは班内のメンバーと議論したことになるでしょうか。
最後は予定していた「各自がそれそれのテーマで、100万円を出してもらえる助成に申請することにします。その申請書の“研究概要”を50字から100字でまとめてください」というところまで、到達できました。それを一人ずつ読み上げてもらい、私なりの短いコメントを述べることでワークショップを終えたのですが、ほとんどの方のその「研究概要」が、提出時のテーマに比べると、はるかにしっかりした、そのテーマを調べることの意義が伝わってるくような具体的なものになっていることに、私のほうが驚いたほどです。
以下、参加者からの感想のいつかを紹介しておきます。
・少し自分が誤解をしていたかなと思いました。こんなにちゃんとテーマについて論理的に考えていくことを教えていただけて考えがまとまりました。私個人的な疑問には、簡単に調べられないものは何とか周辺のキーワードを見つけていくことが有効だったようです。ネットでだめな場合、専門図書館などがあることを思い出すことができました。
・グループワークで様々な意見が出て興味深かったです。参加者の皆さんが良い表情をされていたのが印象的でした。
・表題から「テクニック」の話が聞けるかと思ったが、もっと深い内容だった。
・とても有効な内容でした。調べ方の基本を知り、実際にやってみようと思います。
・とてもためになり、わかりやすく面白かった。基本的なことですが、声がとてもはっきり、話される内容もとてもまとまっていてわかりやすかった。自分の疑問を分解して具体化していくことは日々の生活の小さいことにも役立つと思った。また、さいごのさいご、ネットにのっていない情報こそ大切に、地道に調べることの大切さをあらためて感じた。何しろ、少し前まではみんなそうしてたのですから!
・今日は大変有意義に過ごせました!!早いテンポで進む講義、どきどき、きんちょうした2時間でした。頭の運動になりました!!
・グループワーク形式の講座はあまりないので新鮮でした。
・「調べる」=「文献」or「ネット」では必ずしもない、という着眼点を得られました。声にならない声、拾われていない声も大切。というよりこちらの方がホントだったりするんですよね。
・実際に作業をして進める形は興味深かった。
・たいへんおもしろいワークショップでした。いろんな人との交流をして、知恵をお借りしながら考えてというのはエキサイトします(知的な意味で)。
・進め方、内容とも、とても良かった。年齢層も多様で、いい刺激を得られたと思います。
・とても参考になり、素晴らしい講義でした。今後の調べ方の役に立ちます。
・グループワークを取り入れ、気づきを与えられ有意義であった。
・よく話すことができておもしろい体験だった。また、これをいかして論文を書くことを心に決めた。
・非常にレベルが高く、有意義でした。時間が足りませんでした。